肩凝りが治らない…その原因と肩凝りの種類とは
(画像=blanche/stock.adobe.com)

日本人の国民病ともいえる肩凝りは、長時間のデスクワークや無理な姿勢によって首や肩の血行が悪くなることで起こります。また、運動不足やストレスなども肩凝りの原因となります。

この記事では肩凝りについてまとめ、肩凝りの原因や予防法、解消法についても解説するので、悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

肩凝りに悩まされている人は多い

厚生労働省の調査によると、日常生活で自覚している病気やけがなどの症状の中で、肩凝りは女性では1位、男性では2位です。

また、日本人は首や肩の構造が比較的きゃしゃなので、欧米人よりも肩凝りを起こしやすいといわれているため、日本人の国民病といえるでしょう。

肩凝りの原因

人の頭は約5~6kgと、ボーリングの球と同じくらいの重さです。この頭を支える首や肩には、構造的に負担がかかりやすいといえます。

肩凝りは肩や首の血行が悪くなったり、筋肉が緊張して凝り固まったりすることによって起こります。その原因としては、長時間のデスクワークといった首や背中に負担がかかる姿勢や運動不足、精神的ストレスなどが挙げられます。

また、肩凝りには眼鏡が合っていないことによる眼精疲労や脊椎疾患、高血圧症など他の病気が隠れていることもあります。

パソコンやスマホにも要注意

近年は、1日の多くをパソコンやスマホの画面を見て過ごす方も多いでしょう。

パソコンやスマホは「負担がかかる姿勢」と「眼精疲労」によって肩凝りのリスクが高まるため、注意が必要です。

これらを操作する際は、首を前に突き出すような姿勢になりがちです。この姿勢を続けると、首や肩が緊張して筋肉に負担がかかります。

また、液晶画面を長時間見ていると目が疲れて、眼精疲労が肩凝りを引き起こすこともあります。

50歳前後の場合は五十肩の可能性も

肩凝りに悩む方で年齢が50歳前後の場合は、五十肩かもしれません。

五十肩は通称であり、正式には「肩関節周囲炎」という疾患群です。肩関節周辺の組織が老化することによって、炎症が生じます。腕を体の後ろに回したり、腕を上げたりする際に痛みを感じるという特徴があります。

肩凝りの症状

肩凝りの症状は、首から肩・背中にかけての筋肉がずっしりと重い、疲労感やだるさがある、肩の筋肉が固まっているなどです。痛みを伴うこともあり、症状が悪化すると頭痛や目まい、眼精疲労、腕や手のしびれなどが生じることもあります。

肩凝りの種類

肩凝りの原因はさまざまですが、中には頸椎や内科系の病気が隠れている場合もあるため、注意が必要です。

生活習慣が原因の肩凝り

長時間のデスクワークや同じ姿勢、運動不足、ストレスなど生活習慣が原因で起こります。本人には首や肩に負担をかけている自覚がないため、日常生活を見直すことで改善が期待できます。

病気が原因の肩凝り

何らかの病気や不調が原因で起こる肩凝りです。

五十肩など肩や関節の炎症や異常が原因のものや、椎間板ヘルニアなど首や背中の異常が原因のもの、内科系の病気が原因のものがあります。

内科系の病気は糖尿病や高血圧などに加えて、狭心症や心筋梗塞など命に関わる病気が隠れている場合があるため、肩凝りを軽視してはいけません。

肩凝りを起こしやすい人の特徴

肩凝りを起こしやすい人の特徴は、以下のとおりです。当てはまる場合はつらい肩凝りに悩まされる前に、早めに生活習慣の見直しや対策を行いましょう。

  • デスクワークが多い
  • 姿勢が悪い(猫背など)
  • 睡眠時に歯ぎしりや食い縛りをする
  • 運動不足である
  • 強いストレスや緊張を感じている
  • 冷え性である

また、女性は男性よりも肩凝りになりやすいといわれています。その理由としては、頭を支える首や肩の筋肉量が少ないことや、冷え性になりやすく血行が悪いことなどが挙げられます。

肩凝りの予防・解消法

肩凝りは主に血行不良や筋肉の緊張によって起こるため、血行を促して筋肉の緊張をほぐすことが予防や解消につながります。

ここでは、肩凝りの予防法・解消法について解説します。

同じ姿勢を長時間続けない

長時間同じ姿勢を続けていると、首周りや肩の血行が悪くなります。デスクワークなどでは30分に1回は休憩を取り、伸びや軽いストレッチを行って身体を動かしましょう。

肩や首周りの血行を良くする

血行は身体を冷やすことで悪くなり、温めることで促進されます。

肩凝りを自覚したら、使い捨てカイロや温めたタオルを首や肩に当てたり、家庭用の簡易マッサージ機で肩や首周りをマッサージしたりして、血行を良くしましょう。

適度な運動やストレッチをする

運動不足は血行不良を招くため、肩凝りの原因となります。適度な運動を継続することで全身の血行が改善され、肩凝りが起こりにくくなります。

普段より多く歩く、隙間時間に首回し・肩回しなど筋肉をほぐすストレッチをするなど、日常生活の中に簡単な運動やストレッチを取り入れましょう。

下記、肩凝りに効く動画を掲載しますので、詳細を知り実行したい方は参考にしてください。

※参考動画(肩甲骨ほぐし)
疲れに効くコラム『肩甲骨ほぐし①』powered by リポビタン|taishomovie
疲れに効くコラム『肩甲骨ほぐし②』powered by リポビタン|taishomovie
疲れに効くコラム『肩甲骨ほぐし③』powered by リポビタン|taishomovie

入浴はシャワーではなく湯船に浸かる

入浴時は、湯船にゆっくり浸かって温まりましょう。肩凝りの改善につながり、首や肩だけでなく全身の血行も促進されます。また、お風呂にはストレス解消や緊張をほぐす効果も期待できます。

肩凝りの治療法

肩凝りの治療法には、血行改善を目的としたマッサージ療法やストレス・緊張を緩和する運動療法、湿布薬や筋弛緩薬などを使用する薬物療法があります。

高血圧や狭心症などの原因疾患がある場合は、その治療が優先的に行われます。肩凝りが慢性的に続く場合は、できるだけ早く医師に相談しましょう。

肩凝りのセルフチェックをしてみよう

肩凝りは、普段の姿勢や生活習慣などが原因で起こるケースも少なくありません。以下のセルフチェックで、ご自身の肩凝りリスクを確認してみましょう。

以下は、疲れの情報局(アリナミン)が公開している「疲れのセルフチェック 肩こり」の引用です。

  1. デスクワークが多く、毎日パソコンを使う
  2. 最近、目の疲れが気になる
  3. スマホやパソコン作業中、気付くと姿勢が猫背になっている
  4. 冷え症だ。または体の冷えを感じる
  5. 枕の高さが合ってない(高いまたは低い)と感じる
  6. 長い時間、同じ姿勢で仕事をすることが多い
  7. 日常的に運動不足だと思う
  8. 左右どちらかの肩に重い荷物を持つことが多い。また、左右の肩の高さが違う
  9. ストレスにさらされ緊張することが多く、体に力が入っていると感じる
  10. 湯船に浸からず、シャワーだけの日が多い

1~10に当てはまる項目を数えてください。

1つでも当てはまったら肩凝り予備軍、4つ以上当てはまったら重度の肩凝りの可能性があります。
まずは生活習慣を見直し、肩凝りや痛みが治まらない場合は我慢せず、早めに医療機関で受診しましょう。

肩凝りは生活習慣の見直しで改善できる

「肩凝りは現代病なので治すことができない」とあきらめている方もいるかもしれませんが、生活習慣の見直しで改善できます。

隙間時間の軽いストレッチや入浴時に湯船に浸かるなど、日常生活の中の工夫によって首や肩の血行を促進し、肩凝りの改善を図りましょう。