近年、「笑い」に秘める可能性に注目が集まっています。笑いには「セルフケア」の能力が備わっているとされ、笑って笑って笑いまくることで、安定したメンタルで日々を過ごしやすくなるというのです。この記事ではセルフケアと笑いの関係に焦点を当てて説明します。
そもそもセルフケア能力とは
「セルフケア」という言葉を聞いたことがない人も少なくないでしょう。
セルフケアとは、メンタル（心）をケアするための「4つのケア」のうちの1つで、人が自分自身でストレスに対処する方法を指します。
この「4つのケア」は、厚生労働省が過去に発表した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」で示されたもので、従業員のメンタルヘルス対策を目的として策定されたものです。
ちなみに、そのほかの3つのケアは「ラインによるケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」で、いずれも外部の環境や外部の人が関わるケアの方法であり、自分自身をケアするアプローチはセルフケアのみです。
セルフケア能力が注目され始めている理由
ここ最近になってセルフケア能力が注目され始めている理由の1つに、新型コロナウイルスの感染拡大によってリモートワークが増え、企業側が従業員のメンタルヘルス対策をしにくくなったことが挙げられます。
また、昔よりもメンタルの病気に対する関心が社会全体で高まったことも大きいでしょう。現代社会で働く多くの人がストレスを抱えている中、心の疲れを癒すことにつながるセルフケアに注目が集まっているわけです。
セルフケアの5つの方法
ここでは具体的なセルフケアの方法について紹介します。
適度な運動を定期的に
適度な運動をすると、落ち込みがちな気分が消えたり、身体がリラックスしたりする作用があります。有酸素運動が特に効果的で、散歩や軽いランニング、ダンスなどがおすすめです。1日の目安としては20分程度といわれています。
ゆっくりと深呼吸する
深呼吸もセルフケアにつながります。深呼吸をすると、仕事などの緊張感が緩和され、筋肉も緩められ、身体全体にリラックス効果をもたらします。深呼吸をするときは呼吸に集中し、ほかのことを考えないことがポイントです。
適度に気分転換をする
気分転換になることをすれば、メンタルには良い影響が出ます。旅行やカフェめぐり、カラオケ、スポーツなど、自分の趣味を存分に楽しむ時間を積極的に作って、意識的にストレスを軽減させていくことが重要です。
しっかりと睡眠をとる
毎日、睡眠をしっかりととることも重要です。日本の成人男性の場合、7時間±1時間が目安とされています。睡眠にはストレスを軽減し、うつ病の発症を抑制する効果があるほか、生活習慣病の予防にもつながります。
笑う
そして「笑う」こともセルフケアの方法として注目されています。次の項で詳しく説明しましょう。
「笑い」の効能
笑いには、ストレスを軽減させる効果や自律神経のバランスを調整する効果があります。
ストレスが軽減されるのは、笑うことによって「エンドルフィン」という脳内ホルモンが分泌されるからです。このエンドルフィンという脳内ホルモンは非常に重要な分泌物なので、軽くみてはいけません。
エンドルフィンには痛みを抑える効果もあり、その能力はモルヒネの数倍以上とされています。
自律神経を整えることもメンタルヘルスの観点では非常に重要です。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、交感神経が優位になると体が緊張した状態が続きます。笑いには交換神経が優位になる状態を予防する効果があり、心のリラックスを促します。
そのほかにも、笑いにはさまざまな効能があります。たとえば、笑うと脳の働きが活性化し、ボケの予防などにつながるといわれています。また、笑うと血圧や心拍数が上がることでエネルギー消費量が多くなり、ちょっとしたダイエット効果も期待できます。
笑ってハッピーライフを過ごそう
このように、笑いはセルフケアにおいて重要な役割を果たします。そのため、日常の中で笑っているシーンを増やせるように日頃から心掛けたいものです。
日常の中で笑うシーンがなかなかない人は、積極的にテレビでお笑い番組や笑える映画を観たり、YouTubeで面白動画を楽しんだりするとよいでしょう。YouTubeなら「笑える映像◯選」といったまとめ動画も簡単に見つかるはずです。
ちなみに、あなたが心の底から笑わず「作り笑い」だったとしてもセルフケアの効果があるといわれています。
そのため、鏡の前に立って笑顔の練習をするだけでも、少なからずストレス軽減などの効果が期待できます。
日本には「笑う門には福来たる」ということわざがあるくらい、昔から笑いが持つ力には注目が集まっていました。さぁ、笑って笑って笑いまくって、充実したハッピーライフを過ごしましょう。