
食事をした後ですぐにストレッチをする習慣がある人は要注意です。食後は本来、胃や腸などの消化器官に血液が集められますが、ストレッチや運動をすると筋肉の方に血液が集中してしまい、消化不良などの原因となってしまいます。
そもそもストレッチの目的とは?
そもそもストレッチ(ストレッチング)とはどのような目的で行うものなのでしょうか。
厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」では、ストレッチは「意図的に筋や関節を伸ばす運動」であり、「体の柔軟性を高める」ためや「準備運動や整理運動」として行われています。また最近では、リラクゼーションの効果があることも分かってきています。
つまり、ストレッチをすることで消化が促進されるといったことはなく、あえて食後にストレッチをする必要は特にないのです。
食後の身体の状態はどうなっている?
それでは、食事をしたあと、私たちの身体はどのような状態になっているのでしょうか。
食事をすると食べ物は口の中でかみ砕かれ、唾液とともに胃の中に運ばれます。
その後、胃の内部で吹き出される胃液で食べたものが溶かされ、溶けた食べ物は十二指腸へと移動します。
十二指腸は、胃で溶けて酸性になった食べ物を中性に変えるなどの働きがあり、その後、溶けた食べ物は小腸に運ばれ、最終的には大腸で排泄物となり体外に排出されます。
食べ物を食べて排泄物として排出されるまでは24時間かかりますが、最初の方の工程は食後すぐに始まります。
食後すぐにストレッチをすると消化不良になる?
前述の通り、胃などは食後すぐに消化のために働き始めます。そして胃の働きには血液が必要となります。そのため、ストレッチや運動をして血液が筋肉に使われることは避けるべきなのです。
運動をすると筋肉が酸素を求めるようになるため、酸素を運ぶために血液が筋肉の方に向かいます。そうすると、胃が胃本来の働きができなくなり、消化不良に陥る可能性が出てくるわけです。
そのため、一般的には食後30分から1時間程度はストレッチや運動は避けた方が良いといわれています。食べてすぐに横になるのも褒められたものではありませんが、すぐ身体を動かすのも決して良いことではないのです。
食後すぐにできるストレッチもないわけではない
このように、食後にすぐストレッチをすることはあまり良くありませんが、普段の生活が忙しい人の中には、食べてすぐに身体を動かしたい人もいるでしょう。
こうした場合は、食後すぐに行っても胃に負担がかかりにくいストレッチがあります。具体的には、胃を活性化させることで消化を促すストレッチがあり、仰向けに寝て身体を伸ばすストレッチなどがおすすめです。ただし、種類は決して多くはありません。
もし食後30分から1時間程度我慢できるのであれば、消化の促進や脂肪燃焼に効果があるさまざまなストレッチがあります。その中から4つのストレッチについて、次の項で詳しく説明していきましょう。
食後30分〜1時間後に最適なストレッチは?
身体をねじるストレッチ
「身体をねじるストレッチ」は、床に座った状態で上半身をゆっくり左右にねじる形で行います。片方の膝を立て、膝と一緒に上半身をねじるとより効果があります。
このポーズはヨガでもよく行われるポーズで、胃や腸での消化を促進する効果や内臓脂肪を落とす効果などがあるといわれています。
背中を伸ばすストレッチ
「背中を伸ばすストレッチ」は、床に座った状態で両足をまっすぐ伸ばし、上半身を足にくっつけるように前屈するストレッチです。
この動作を行うと自然と内臓がマッサージされ、食べたものの消化が促されます。腹筋をつける効果も期待できます。
頭をひざにつけるストレッチ
「頭をひざにつけるストレッチ」は先ほど紹介したストレッチと似ていますが、同じく床に座った状態で足を左右に開き、片方の足の膝に頭をつけるように前屈します。そのときに、もう片方の足を内側に折り曲げると楽です。
このストレッチをすると腹部が刺激され、消化機能が高まるといわれています。
お腹のガスを抜くストレッチ
最後は、お腹にたまったガスを抜くためのストレッチです。仰向けに寝た状態で両足の膝を抱え込むようにお腹の方に引き寄せ、その状態をキープします。
消化を促すだけではなく、便秘の解消や脂肪を落とす効果も期待されるポーズです。
「食後すぐ」は我慢し、消化不良を避けよう
この記事で説明した通り、食後すぐはなるべくストレッチや運動は避けるべきです。血液が筋肉の方にまわってしまうため、胃や腸が本来の働きをできなくなるからです。
ただし、30分から1時間待てば、胃や腸での消化を助けるさまざまなストレッチができるため、可能であれば食後すぐストレッチをしたくても、我慢するようにしましょう。
健康になるためのストレッチなのに、消化不良を起こしてしまっては本末転倒です。