睡眠とアンチエイジング|運動と食事だけでなく睡眠も大切
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最近、アンチエイジングが話題になっています。アンチエイジングには運動や食事も大切ですが、質の高い睡眠も欠かせません。この記事ではアンチエイジングと睡眠の関係や、良質な睡眠を取る方法について解説します。

アンチエイジングと睡眠の深い関係

ここでは睡眠によって分泌される2つのホルモンを中心に、アンチエイジングの効果について説明します。

成長ホルモンの分泌は肌のハリ・ツヤを保つ効果がある

睡眠によって分泌される「成長ホルモン」には新陳代謝を促進し、細胞を修復する働きがあります。それによって肌のハリ・ツヤが保たれるため、美容と健康には欠かせません。睡眠不足で成長ホルモンがうまく分泌しないと、ニキビや肌荒れ、目のクマの原因になります。成長ホルモンは子どもから大人まで、あらゆる年齢に必要なホルモンです。

メラトニンの分泌は肌の老化を遅らせる効果がある

成長ホルモンの他に、「メラトニン」というホルモンも分泌されます。メラトニンの主な働きは以下のとおりです。

  • 肌の老化を遅らせる
  • 良質な睡眠を促す
  • 成長ホルモンの分泌を促す

メラトニンは、日中分泌される「セロトニン」というホルモンが変化したものです。メラトニンは夜になると分泌され、肌の老化を遅らせるとともに、夜の睡眠を促します。また成長ホルモンの分泌を促す働きもあるため、アンチエイジング効果が高まるのです。

セロトニンは日光を浴びることや、適度な運動を行うことで活性します。朝は太陽を浴び、夜は寝るという規則正しい生活がメラトニンを増やすことにつながるのです。良質な睡眠を取るためには夜だけでなく、日中の生活にも気を付ける必要があります。

アンチエイジングに適切な睡眠時間

アンチエイジングに最適な睡眠時間は、個人によって多少変わってきますが7時間程度と言われています。睡眠中は、浅い眠りの「レム睡眠」と深い眠りの「ノンレム睡眠」が約90分周期で切り替わります。入眠後3時間で成長ホルモンが多く分泌されるので、その時間にいかに熟睡するかも重要です。

メラトニンは起床後に活動してから14〜16時間後に分泌するといわれているため、その時間帯に合わせて就寝するのがおすすめです。

なお、理想的な睡眠時間には個人差があります。詳細は別の記事で紹介しているので、睡眠の知識を深めるためにも併せてお読みください。

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良質な睡眠を取る方法

ここでは、良質な睡眠を取るための日中の過ごし方について説明します。

寝る前のスマホいじりは控える

寝る前にスマホを使うと、ブルーライトが良質な睡眠を阻害します。ブルーライトはスマートフォンの他、パソコンやテレビからも出ます。夜に明るい光を浴びるとメラトニンの分泌量が低下して、睡眠が浅くなります。就寝前は電子機器の使用を控えて、部屋の照明を暗くしましょう。

日中は適度な運動を行う

日中に適度な運動を行うと、セロトニンの分泌が活発になります。セロトニンは夜になるとメラトニンに変化するため、良質な睡眠につながります。ヨガやウォーキングなど軽い運動をするだけでもセロトニンの分泌が活発になるので、日中はなるべく歩いたり、外で活動したりする時間を作りましょう。

朝起きたら太陽を浴びる

朝起きた後に太陽の光を浴びると、セロトニンが合成されて増えます。夜になるとそれがメラトニンに変化し、自然に眠気を感じるようになります。太陽の光は体内時計をリセットする働きもあるため、生活リズムを整えるためにもおすすめです。

良質な睡眠を取る方法は、これだけではありません。他の方法は別の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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>> 「翌朝疲れが取れていない」は睡眠の質が悪い|睡眠の質を上げるには

睡眠の質が悪くなる原因

十分な睡眠時間を確保していても、睡眠の質が悪いとアンチエイジング効果を得られません。ここからは、睡眠の質が悪くなる原因について説明します。

生活のリズムが不規則になっている

不規則な生活は、睡眠の質の悪化につながります。寝る時間がばらばらだったり、生活のリズムが不規則だったりすると、成長ホルモンやメラトニンの分泌が低下し、寝つきが悪くなるので注意してください。日中のセロトニンの分泌も低下して、悪循環に陥るでしょう。起床時間や就寝時間はなるべく一定にして、規則正しい生活を心がけてください。

カフェインやアルコールを摂取している

カフェインやアルコールを含む飲み物(コーヒーや緑茶、お酒など)を摂取すると、脳が覚醒して眠れなくなります。夜にぐっすり眠れるように「寝酒」をする人がいますが、これは逆効果です。カフェインの摂取は日中なら影響は少ないですが、夕方以降の摂取は睡眠の妨げになります。カフェインやアルコールを摂取する際は、時間帯に注意しましょう。

緊張感や不安感が強い

睡眠時は、交感神経(活動する神経)よりも副交感神経(リラックスする神経)が優位になっています。しかし、緊張や不安が強いと交感神経が優位になり、眠れなくなります。「大事なイベント(入学試験やプレゼンなど)の前日に眠れなかった」という人は多いでしょう。その時に「眠らなきゃ」と思うと、かえって眠れなくなります。質の高い睡眠を取るためには、寝る前に不安になるようなことを考えないようにしましょう。

睡眠の質が悪くなる原因については別の記事で詳しく紹介しているので、興味がある方はぜひお読みください。

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あなたは眠れている?チェックリストで確認してみよう

寝る時間だけでなく、質の低下も睡眠不足につながります。
十分に眠れているか不安な人は、睡眠不足度のチェックリストで確認してみましょう。

□起床時は大きな音の目覚まし時計が必要
□朝起きるまでが苦労する
□目覚ましの音に気づかない
□アルコールを少し飲むとよく眠れる気がする
□休みの前日はいつもより2時間以上長く眠る
□ときどき気力がないと感じる
□細かい仕事に対して手を抜くことが多くなった
□ときどき知らないうちに居眠りをしてしまう
□テレビを見たり、本を読んだりするときに眠くなる、または居眠りをしてしまう
□電車やバスに1時間以上乗っていると眠くなる、あるいは居眠りをしてしまう
□昼食をたくさん食べた後に眠くなる、あるいは居眠りをしてしまう
□会議の最中に眠くなることが多い
□車の運転中、ウトウトしてしまう
□日中にコーヒーや紅茶などを4杯以上飲む

チェックが5個以下:睡眠時間が確保できている
チェックが6〜9個:睡眠不足の傾向がある
チェックが10〜12個:かなりの睡眠不足
チェックが13個以上:深刻な睡眠不足

引用:睡眠|公益財団法人 大阪府保険医療財団 大阪がん循環器病予防センター

アンチエイジングのために良質な睡眠時間を確保しよう

睡眠時には、肌の若さを保つために欠かせないホルモンが多く分泌されます。また、質の高い睡眠は日中の生活リズムを整えることにもつながります。アンチエイジングに取り組む際は、良質な睡眠を取ることを心がけましょう。