気になる口臭の予防法とは|口臭の原因や5つの対策
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口臭は自分では気付きにくいため、「口臭があったらどうしよう」と不安になる方は多いでしょう。

この記事では、口臭の原因や自宅で簡単にできる5つの予防法について詳しく解説します。口臭のセルフチェックも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

口臭の原因とは

口臭の主な原因は、舌苔(ぜったい)と歯周病です。舌苔とは舌の表面に付着する白いコケ状のもので、歯垢と同じように細菌の塊です。口臭の原因物質であるガスは、舌苔の上で多く生成されます。また、歯周病菌もガスを生成し、歯周病の進行とともに臭いが強くなります。

厚生労働省の調査によると、15歳以上の約10%が「自分の口臭が気になる」と回答しました。ただし、これはあくまで主観的な回答であり、口臭がある人の割合ではありません。

自分では口臭を気付きにくいのは、嗅覚が臭いに慣れる順応という生体反応によるものです。口臭は気にする人が多いものの、自分ではなかなか気付かないという特徴があります。

あなたは大丈夫?口臭のセルフチェックをしてみよう

口臭は自分ではなかなか気付かないのでセルフチェックで確認しましょう。以下は相模原市歯科医師会が公開している『口臭チェックシート!』です。当てはまる項目を数えてください。

  1. 自分で口臭を感じる
  2. 他人に口臭を指摘された
  3. 歯をあまり磨かない
  4. 歯石が付きやすい
  5. 歯石を取った事がない
  6. 歯ぐきから血が出る
  7. 歯ぐきが腫れる
  8. 歯ぐきから膿が出る
  9. 舌が白い
  10. 口の中がねばつく
  11. 口内炎ができやすい
  12. 親知らずがある
  13. 入れ歯をしている
  14. 寝ている時も入れ歯をする
  15. プラスチックの冠(かぶせ物)がある
  16. 古い冠(かぶせ物)が入っている
  17. 食べ物が歯にはさまる
  18. 歯の治療を中断した
  19. 虫歯が多い
  20. 胃腸が弱い

判定は以下のとおりです。

  • 1つもない人:心配ありません
  • 1~5の人:ときどき口臭がします
  • 6~10の人:口臭があります 口臭治療をお勧めします
  • 11~15の人:かなりの口臭の可能性あり 口臭治療が必要です
  • 16~20の人:口臭の一刻も早い処置を!

口臭は歯周病が原因であるケースもあります。
5個以上当てはまる方や、気になる症状がある方は歯科で受診しましょう。

※口臭治療とは
治療の方法は、口臭の原因によって異なるため一概には言えません。虫歯や歯周病が口臭の原因である場合は、虫歯や歯周病の治療が口臭治療となります。また、呼吸器系の病気や消化器系の病気、肝臓疾患、糖尿病が口臭の原因になることもあります。この場合、それぞれの疾患の治療が口臭治療となります。口内環境を整える意味でも、歯科医院では口臭専用の薬を使用したり、装置を使ったりしながら口内を洗浄する場合もありますが、口臭治療の第一歩としてはまず、口臭の原因を検査することです。

自分でできる口臭の予防法5つ

ここでは、自分でできる口臭の予防法を5つ紹介します。口臭だけでなく、口内を健康に保つことにも役立つので、ぜひ参考にしてください。

1.食後に加えて朝と寝る前に歯磨きをする

歯垢の磨き残しは口臭や歯周病の原因になるので、毎食後歯磨きをしましょう。

また、寝ている間は唾液の分泌が減るため、細菌が繁殖しやすくなります。起床時と就寝前には、特にしっかり歯磨きをしてください。

2.デンタルフロスや歯間ブラシを併用する

歯と歯の間は磨き残しが多く、歯間の歯垢が口臭を悪化させることもあります。歯磨きの際はデンタルフロスや歯間ブラシを併用して、歯間や細かい部分の汚れまでしっかり落としてください。

3.食事はよく噛んで唾液の分泌量を増やす

唾液には細菌の増殖を抑えたり、口の中を洗い流して清潔に保ったりする働きがあります。唾液の分泌が減ると口内で細菌が繁殖しやすくなるだけでなく、口の中が乾燥して口臭が強くなります。

口臭を予防するために、食事の際はよく噛み、食間にガムを噛むなどして唾液の分泌量を増やしましょう。

4.口呼吸の人は鼻呼吸に切り替える

口呼吸をしている人は、鼻呼吸に切り替えることで口臭を予防できます。口呼吸をすると口の中が乾いて唾液の分泌量が減るため、口臭につながります。

普段から鼻呼吸を意識し、こまめに水分を補給して口内が乾燥しないようにしましょう。

5.舌磨きで舌苔を取り除く

口臭の原因物質であるガスは舌苔の上で多く生成されるため、舌磨きで舌を清潔に保つことは口臭予防に効果があります。専用の舌ブラシを使うのが理想ですが、毛先が柔らかい小児用の歯ブラシや目の粗いタオルなどでも代用できます。

舌磨きの手順は、以下のとおりです。

  1. 鏡を見ながら舌をできるだけ前に突き出し、舌苔が付いているかどうか確認する。
    (舌苔は舌の後方部分に付着しやすい)

  2. 鏡で見える最も奥の部分に舌ブラシを軽く当てて、手前に引く。この時、力を入れすぎないように注意する。息を数秒間止めながら行うと、嘔吐反射が起こりにくい。

  3. 舌ブラシを水道水でよく洗い、舌ブラシに汚れ(舌苔)が付かなくなるまで1~2を繰り返す。

舌磨きは1日1回、起床時に行いましょう。それ以上行うと舌の粘膜を傷つけてしまうことがあるため、注意してください。

定期的な歯科検診も大切

歯周病や虫歯も口臭の原因になるため、口臭の予防には定期的な歯科健診も有効です。
特に歯垢が石灰化した歯石の除去は、歯周病を予防する効果があります。歯石は非常に固く、普段のブラッシングでは取れないので、歯科健診の際に歯石除去も行いましょう。

日々のケアで口臭や歯周病を予防しよう

口臭の原因である舌苔や歯周病は、正しい歯磨きや舌磨き、唾液の分泌量を増やすことで予防できます。セルフケアに加えて、定期的な歯科健診と歯石除去も大切です。

口臭を予防することは、口内の健康を守ることにもつながります。日々のケアをしっかり行い、口臭や歯周病を予防しましょう。