
「いつまでも若々しく健康で、実年齢よりも若く見られたい」という願いは、年齢や性別を問わず誰もが持っているでしょう。
この記事では、アンチエイジングについてさまざまな角度から考えます。アンチエイジングに効果的な運動や食事、飲み物を始め、今日から日常生活に取り入れられるスキンケアや睡眠、入浴法などをまとめました。
アンチエイジングとは?
アンチエイジングは「抗年齢」「抗老化」を意味します。若々しく健康な心身を維持しながら、年を重ねることです。
アンチエイジングを美容用語と思っている方が多いようですが、「アンチエイジング医学」など医療にも用いられ、美容に限らず病気を防いで健康寿命を延ばすことを目的としています。
「老化」はなぜ起こるのか
「老化」はなぜ起こるのでしょうか。原因の一つに、活性酸素による酸化(体のサビ)があります。活性酸素はタバコや排気ガス、紫外線、心理的ストレスなどによって体内に蓄積され、老化を促します。
その他にも細胞の機能低下や遺伝子の変化など、さまざまな要因が複雑に絡み合うことによって老化が起こるといわれています。
アンチエイジングに効果的な生活習慣
老化の原因である活性酸素は、生活習慣と密接に関わっています。ここでは、アンチエイジングに効果的な生活習慣について解説します。
1.運動
適度な運動は、若返りホルモンと呼ばれる成長ホルモンの分泌や血行を促進する効果があります。それらによって肌細胞のターンオーバーが促進され、肌の老化防止につながります。ターンオーバーとは、肌が一定のサイクルで生まれ変わる代謝の仕組みのことです。
また、老化によって減少する筋肉量の維持にも役立ちます。
具体的にはスクワットや腕立て伏せなど自宅でできる筋トレや、ウォーキングなどの有酸素運動、ストレッチなどがアンチエイジングに効果的です。
運動の時間が確保できない場合は、家事や仕事の隙間時間のストレッチや、エスカレーターではなく階段を使うなど、日々の生活の中で体を動かすことを意識しましょう。
2.食事
朝食・昼食・夕食をできるだけ決まった時間に取りましょう。朝食を抜くと血糖値のバランスが乱れて、ドカ食いや体調不良の原因になるため、忙しい時でもしっかり食べてください。
食事の内容だけでなく、「食べる順番」も大切です。まずは野菜などの食物繊維、次に肉や魚などのタンパク質、最後にご飯などの炭水化物を食べましょう。これによって炭水化物の吸収が穏やかになり、血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。
アンチエイジングに効果的な食べ物は、以下のとおりです。偏りがないようバランスよく摂取しましょう。
- 肉や魚、卵など良質なタンパク質
- 納豆や豆腐など大豆製品の大豆イソフラボン
- 淡色・緑黄色野菜やキノコ、海藻類のビタミンやミネラル類
- 納豆や漬物、味噌、ヨーグルトなどの発酵食品
- チアシードやザクロ、キヌアなどのスーパーフード
3.飲み物
アルカリ性で硬水のミネラルウォーターは抗酸化作用がありカルシウムが多いため、アンチエイジング効果を期待できます。「水はたくさん飲んだほうがよい」といわれますが、人によって適量が異なるため無理をせず、自分の適量をゆっくり飲んでください。
また、緑茶にはカテキンを始めとした抗酸化作用に優れた成分が豊富に含まれています。
お酒を飲む場合は長寿遺伝子を活性化させるといわれているレスベラトロールを含み、強い抗酸化作用があるポリフェノールが豊富な赤ワインを選びましょう。飲む量は1日グラス1~2杯までとして、飲み過ぎないように注意してください。
4.スキンケア
肌の乾燥や摩擦も老化の原因になります。アンチエイジングに効果的なスキンケアは、肌をこすらずに優しく保湿ケアを行うことです。また、紫外線対策も欠かせません。季節を問わず、曇りの日でも紫外線対策を行いましょう。
5.睡眠
睡眠時には、アンチエイジングと深い関係がある「成長ホルモン」と「メラトニン」が分泌されます。
成長ホルモンは肌のダメージを修復し、ハリやツヤを保つ働きがあります。睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンは、成長ホルモンの分泌を促す作用があり、強い抗酸化作用によって肌の老化を遅らせます。
成長ホルモンは年を重ねるごとに減少し、それが老化の原因になるため、質の良い睡眠はアンチエイジングにつながるのです。
6.入浴
入浴もアンチエイジングに効果があるといわれています。血行が良くなることで成長ホルモンの減少や細胞の機能低下を抑えられるからです。
また、汗をかくことによる老廃物の排出や、副交感神経の活性化によるリラックス効果もアンチエイジングにプラスに働きます。
男性のアンチエイジング
「アンチエイジングは女性がやるもの」というイメージがありますが、老化に性別は関係ありません。
男性は紫外線対策を行う人が少なく、髭そりによる肌荒れなどもあるため、女性よりも肌が老化しやすいといえます。年相応の見た目と健康を保つためには、男性もアンチエイジングを行うべきです。
老化度をチェックリストで確認してみよう
老化は、自分ではあまり実感しないものです。「いつ頃からアンチエイジングを始めたらよいかわからない」という方もいるでしょう。
チェックリストで現在の老化度を確認しましょう。以下は、JR東京総合病院が公開している「老化度チェックリスト」です。
当てはまる項目を数えてください。
- 休日は1日中、家でゴロゴロしている
- 化粧をするのがおっくうになってきた
- 異性に対して、ときめきを感じなくなった
- 寝付きが悪く、夜中に目が覚めることが多い
- 最近、急に太ってきた
- ちょっとしたことで、落ち込んだり、イライラしたりする
- 集中力が長続きせず、物忘れがひどくなった
- 風邪をひきやすい
- 疲れやすく、その疲れもなかなか抜けない
- 出来ないことがあると、つい年のせいにしてしまう
- 実践するダイエットは、肉を食べない方法だ
- 人づきあいが、面倒になりつつある
- 週に一度も運動をしていない
- 最近、便秘がちだ
- シミやソバカスが目立ってきた
- 外で買ってきたお惣菜を食卓に出すことが増えた
- 肩こりや腰痛、頭痛が慢性化している
- 80歳以上の長生きの人が家系にいない
- 炭水化物が好きで、ついご飯ばかりたくさん食べてしまう
- 喫煙家だ。もしくは喫煙者と同席する機会が多い
判定は以下のとおりです。(※ 以下はJR東京総合病院が公開している「老化度チェックリスト」から要約しました。)
当てはまる項目が1~5の人:実年齢より1~2歳上 少し老化気味です。
6~10の人:実年齢より5歳上 老化気味です。
11~15の人:実年齢より10歳上 積極的な意識改革が必要です。
16以上の人: この生活を続けていると危険です すぐに生活習慣を見直しましょう。
アンチエイジングで若さと健康を維持しよう
アンチエイジングは美容によいだけでなく、病気を防いで健康寿命を延ばす効果もあります。
年齢に関係なく、自分の老化を感じた時がアンチエイジングを始める時です。日々の生活の中でアンチエイジングを意識して、心身の若さと健康を維持しましょう。