ストレスを甘く見るな|うつ病になりやすい人の4つの特徴とは
(画像=NOBU/stock.adobe.com)

うつ病は、一日中気持ちが落ち込み何もする気が起きない、といった心の症状だけでなく、不眠やめまい、動悸といった身体の症状も引き起こします。

うつ病はさまざまな原因によって発症しますが、「うつ病になりやすい人」には特徴があることがわかっています。

この記事では、うつ病になりやすい人に見られる4つの特徴について解説します。また、うつ病のセルフチェックリストや予防法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

うつ病になりやすい人の4つの特徴

うつ病はストレスや生活習慣などの環境的要因と、性格や思考パターン、生まれ持った遺伝的要素など、さまざまな要因が重なることで発症します。

ここでは、「うつ病になりやすい人」の4つの特徴について解説します。

真面目で責任感が強い

真面目で責任感が強い人は、自分の限界を超えて頑張りすぎてしまう傾向があります。責任感の強さから「自分だけでやり遂げなければ」と周囲にサポートを求めず1人で抱え込み、やがて過剰なストレスに押しつぶされてしまいます。

完璧主義

完璧主義の人も、うつ病になりやすいといわれています。自分自身に対しても完璧を求め、うまくできないと自分を責めて「ダメな人間だ」と落ち込んだり、自己肯定感が下がったりするためです。

人当たりが良く、周囲からの評価が高い

人当たりが良く、周囲からの評価が高い人は、周囲からの反応や評価を気にしすぎたり、1人で悩みやストレスを抱え込んだりする傾向があります。

洞察力に優れており、周囲への気配りができるがゆえに「みんなに迷惑をかけてしまうのでは」と考え、相談やサポートを求めることができないためです。

生活習慣が乱れている

偏った食生活や睡眠不足、過度な飲酒など、生活習慣が乱れているとそれらが環境要因となり、うつ病を発症しやすくなります。特に睡眠不足はうつ病につながりやすいため、注意が必要です。

うつ病の症状

うつ病には、気分が落ち込むといった心の症状と、不眠といった身体の症状があります。それぞれについて、見ていきましょう。

心の症状

・無気力になる
・以前好きだったことに興味がなくなる
・悲観的になる
・気分が落ち込むことが増える
・集中できない
・落ち着かない
・イライラする
・考えることが面倒になる
・自分をダメな人間だと思う

身体の症状

・食欲がない
・美味しいと感じない
・性欲がない
・涙もろくなる
・よく眠れない、あるいは過度に寝てしまう
・疲れが取れない
・体がだるい
・口が渇く
・頭痛や肩こり
・めまい
・動悸がする
・汗が止まらない
・便秘や下痢
・身体の節々の痛み
・口が乾く

うつ病のセルフチェック

うつ病の初期症状を早期に発見するためのチェックシートがあります。自分の心と身体の状態について、セルフチェックをしてみましょう。

1から12までの項目に対する回答として「いいえ」が 0点、「ときどき」が 1点、「しばしば」が 2点、「つねに」が 3点として、合計点を計算してください。

  1. 体がだるく疲れやすい
  2. 最近気持ちが沈んだり、気が重くなったりすることがある
  3. 朝は特に無気力になる
  4. 首すじや肩のこりがひどい
  5. 眠れずに朝早く目が覚めることがある
  6. 食欲がなく、食べ物の味がしない
  7. 息が詰まって胸が苦しくなることがある
  8. のどの奥に物がつかえている感じがする
  9. 自分の人生がつまらなく感じる
  10. 仕事の能率が上がらず、何をするにもおっくうに感じる
  11. 以前にも現在と似たような症状があった
  12. 本来は仕事熱心で几帳面な性格だ

公益社団法人日本精神神経科診療所協のチェックシートを元に作成

判定は以下のとおりです。

・10点以下:うつ病の可能性は低い
・11~15点:ボーダーライン(境界領域)
・16点以上:うつ病の可能性が高い

うつ病は、早期発見・早期治療が重要な病気です。セルフチェックの結果が16点以下だったとしても、気になる症状がある場合は早めに受診しましょう。

うつ病を予防するためには

うつ病は、生活習慣と大きな関わりがあるといわれています。ここでは、うつ病にかかりにくい生活について解説します。

生活習慣を整える

食事が不規則で偏っている、無理をすることが多くいつも疲れている、お酒を飲み過ぎるといった乱れた生活は、うつ病につながりやすいといえます。

規則正しい生活と、十分な睡眠を心がけましょう。「最近疲れているな」と感じたら早めに休息を取り、疲れを溜めないようにしましょう。

また、過度な飲酒は慎んでください。

適度な運動を行う

適度な運動は、うつ病の予防に効果があります。ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、ストレスホルモンを正常に保ち、気分の落ち込みや不安を解消することがわかっています。

軽い運動でも効果があるため、気分が落ち込みがちな人は日常生活の中で身体を動かす機会を増やしましょう。「通勤や買い物のついでに、いつもより少し多く歩く」といった程度でも構いません。

ストレスへの対処法を意識する

ストレスは、うつ病を引き起こす要因の一つです。定期的に気分転換を行う、ストレスを感じたら休息を取る、誰かに相談するなど、早めに対処することが大切です。

ストレスは自覚症状がないケースも多いため、普段から自分の心の状態に意識を向けておきましょう。

ストレス耐性は、人によって異なります。自分ではうまく対処できない場合は、専門機関やカウンセラーに相談するとよいでしょう。

ストレスとうまく付き合うことはうつ病だけでなく、さまざまな心身の病気の予防につながります。

まずは自分のストレスに気付くことが大切

うつ病になりやすい人には真面目、責任感が強い、完璧主義といった性格的特徴があります。また、不規則な生活や睡眠不足なども、うつ病につながりやすいといわれています。

うつ病を予防するためには自分のストレスに気付き、対処することが大切です。

うつ病は早期発見・早期治療によって改善するので、ストレスとうまく付き合いつつ、気になる症状がある場合は早めに受診しましょう。