部下の元気がない、突然の病欠が以前より増えた|管理職が理解すべきメンタル不調
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部下のメンタル不調は本人の健康だけでなく、仕事の生産性にも影響を及ぼす問題です。

この記事では、管理者の方に向けてメンタル不調の前兆や症状、メンタル不調になりやすい人の特徴について詳しく解説します。職場におけるメンタル不調のチェックリストも紹介するので、「部下の元気がない」「最近様子がおかしい」と感じている管理者の方は、ぜひ参考にしてください。

メンタル不調は早期対応が大切

近年、職場においてメンタル不調を訴える人が増えています。2017年の労働安全衛生調査によると、労働者の約6割が強いストレスや悩みを抱えながら働いています。

メンタル不調は、早期発見・早期対応が大切です。適切な対応やサポートなどを行うことによって、本人の回復だけでなく職場全体の環境改善にもつながります。

メンタル不調の前兆|チェックリストで確認

うつ病や不安障害などのメンタル不調は、発症する前に特徴的な兆候が見られることがあります。

ここでは、職場で見られる部下のメンタル不調サインをチェックリスト形式でまとめました。部下の「いつもと違う様子」に気付くことが、早期発見・早期対応の第一歩です。

職場で見られる部下のメンタル不調サイン

・遅刻や早退・欠勤が増える
・時間を守らなくなる
・仕事のミスが多くなる
・挨拶やつき合いを避けて孤立する
・何にも興味を示さなくなってきた
・同じ洋服を着続ける、髪を洗っていない
・無口になった
・イライラしたり、すぐに怒ったりするようになった
・以前のイメージと違う
・以前よりも喫煙や飲酒の量が増えたようだ
・食欲がない、あるいは食べ過ぎている様子がある

上記の項目が当てはまる場合は、メンタル不調の前兆かもしれません。
部下のメンタル不調は本人の健康だけでなく、仕事の生産性にも直結する重大な問題です。
「おかしいな」と思ったら、早めに声をかけるなどして対応しましょう。部下の変化に早く気付くためには、普段から積極的にコミュニケーションを取ることも大切です。

メンタル不調の原因

メンタル不調は一因で起こるのではなく、環境やストレスなどいくつかの要因が重なることによって起こります。職場においては転職や転勤、配置転換の他、在宅勤務といった労働環境の変化もメンタル不調のきっかけになることがあります。

また、職場だけでなくプライベートでの変化が原因となって、メンタルの不調を訴える場合もあります。例えば、引っ越しや結婚などの生活環境の変化や、夫婦関係の悪化などの家族間の問題、親しい人との死別などです。

管理者として部下のプライベートな問題の把握は難しいかもしれませんが、メンタル不調の原因として認識することは大切でしょう。

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メンタル不調になりやすい人の特徴

メンタル不調になりやすい人には、以下のような特徴があります。

・真面目で責任感が強い
・完璧主義
・周囲からの評価が高い
・道徳観や正義感が強い
・ストレス耐性が低い
・心配性で傷つきやすい
・空気を読むのが苦手

上記に当てはまらなくても、メンタル不調は誰にでも発症する可能性があります。
「彼は楽観的な性格だから大丈夫」といって安心せず、変化に早く気付けるように意識してください。

メンタル不調者への対処法

部下のメンタル不調に気付いたら、どのように対応すればよいのでしょうか。
ここでは、具体的な対処法について解説します。

よく話を聞く

まずは「最近調子はどう?」「元気がないみたいだけど大丈夫?」などと声をかけ、本人の話をじっくり聞きましょう。自分の意見はいわず、相手の話に耳を傾けてください。

話を聞きながら、仕事の量を減らしたり、分担したりするといった業務量の調整が必要かどうか、また受診や休職が必要かどうかも判断します。

産業医に相談する

産業医やメンタルヘルス関連の部署がある場合は必ず報告・相談し、今後の対応について専門家からアドバイスを受けましょう。くれぐれも、1人で判断してはいけません。

職場環境を改善する

職場環境に改善すべき点があるかどうかを検討して、必要であれば改善を行います。

机のレイアウトを変えることでコミュニケーションが増え、職場環境が良くなったという事例もあります。さまざまな視点から職場環境を見直してみましょう。

職場でのメンタル不調は早期発見が大切

職場でのメンタル不調は早期発見が大切であり、そのためには上司が部下の変化に早く気付く必要があります。

普段から積極的にコミュニケーションを取って、部下の小さな変化に早く気付き、声をかけやすい職場環境を目指しましょう。