偏った食事は肥満やメタボまっしぐら|バランスのとれた食事とは
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肥満やメタボリックシンドローム(メタボ)の主な原因は、食生活の乱れです。肥満・メタボは体形が変わるだけでなく、生活習慣病のリスクも高めるため注意が必要です。この記事では食生活と生活習慣病の関係や、肥満・メタボにならないための食事について解説します。

偏った食事を続けて肥満・メタボになる人は多い

肥満・メタボは、食事と大きな関わりがあります。消費するカロリーより摂取するカロリーが多い場合、余った分が脂肪として体内に蓄積されます。体脂肪の蓄積が続くと、体脂肪が増加して肥満・メタボになります。

1日の平均的な摂取カロリーは成人男性が2,650キロカロリー、成人女性は2,000キロカロリーといわれており、食べ過ぎには注意しなければなりません。

また肥満やメタボは、食生活の偏りだけが原因でなるものではありません。食事の見直しと合わせて、生活のなかに運動を取り入れることも大切です。

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肥満・メタボとはどのような状態を指すのか

肥満とは、体脂肪の割合が多い状態を指します。肥満を判定する指標として「BMI」が用いられることが多く、計算式は{体重(kg)}÷{身長(m)の2乗}で、標準値は男女ともに22.0です。

BMIが25以上だと肥満と判定されますが、あくまでも身長と体重から計算するものであり、体脂肪率はわからないため、目安の一つとしてとらえておくとよいでしょう。

メタボとは、肥満に高血圧や高血糖などが組み合わさり、生活習慣病になりやすい状態を指します。メタボの診断には腹囲や中性脂肪、血圧などの値が用いられます。

  1. 腹囲:男性85cm以上、女性90cm以上
  2. 中性脂肪:150mg/dl以上かつ/または善玉コレステロール40mg/dl未満
  3. 血圧:最大血圧130mmHg以上かつ/または最小血圧85mmHg以上
  4. 血糖値:110mg dl以上

1に加えて、2〜4のうち2つ以上が当てはまると肥満と判定されます。

肥満・メタボの人に多い食生活

どのような食生活を送っていると、肥満・メタボになりやすいのでしょうか。

食べ過ぎ

肥満・メタボの主な原因は食べ過ぎで、特に間食は摂取カロリーが増えやすくなります。チョコレートやジュースといったお菓子・清涼飲料水は一般的にカロリーが高いため、摂り過ぎに注意してください。間食が増えると1日の摂取エネルギーを超えるため、肥満・メタボにつながります。

野菜や果物を食べない

野菜や果物を食べずに肉ばかり食べている人も、肥満・メタボになりやすいです。食生活が肉中心だと、塩分や脂肪の摂取量が多くなり、ビタミンやカリウム、食物繊維といった肥満防止効果がある栄養素を十分に摂取できません。肥満・メタボになるだけでなく、生活習慣病のリスクも高まります。

夜に食べる、早食い

食事の時間帯や食べ方によっても、肥満・メタボになることがあります。夜遅くに食事を摂ると、摂取したエネルギーが十分に消費されないため、体脂肪として体内に残りやすくなります。また、早食いの人はゆっくり食べる人と比べると、肥満になりやすいことがわかっています。バランスの良い食事を摂っていても、食事の時間や食べ方によっては肥満・メタボになることがあります。

肥満・メタボは他の生活習慣病を引き起こすことも

肥満・メタボになると、生活習慣病のリスクも高まります。ここからは、主な生活習慣病について説明します。

脂質異常症

脂質異常症は、血液中の脂肪やコレステロールが多くなる病気です。脂質異常症は動脈硬化(血管が硬くなること)の原因となり、やがて脳卒中や心筋梗塞を引き起こします。食生活が肉中心で、脂肪やコレステロールの摂取が多い人は特に注意してください。

糖尿病

血糖値を下げる働きがある「インスリン」が不足して高血糖が続く病気を糖尿病といいます。糖尿病は「網膜症」「腎症」「神経障害」の3大合併症だけでなく、動脈硬化の進行によって心臓病や脳卒中が発症するリスクも高まります。

高血圧症

塩分を摂り過ぎると高血圧症になります。血圧が高くなると血管に大きな負荷がかかり、それが動脈硬化となって心臓病や脳卒中を引き起こします。20歳以上の日本人の2人に1人は、高血圧症といわれています。

肥満・メタボにならないための食事とは

ここからは、肥満・メタボにならないための食事について説明します。

一日3食をバランス良く食べる

一日3食をバランス良く食べることが基本であり、重要です。主食のごはん・パンや主菜の肉・魚介類を食べていても、副菜である野菜を十分に摂っていない人は少なくありません。キャベツやニンジンなどの野菜には、余計な塩分の排泄を促すカリウムや便通を良好にする食物繊維が含まれているので、生活習慣病を予防する効果があります。

油の摂り過ぎに注意する

天ぷらやコロッケなど、油をたくさん使う食べ物は肥満・メタボになりやすいので、食べ過ぎには注意しましょう。また、外食が多いと栄養のバランスが崩れやすく、ファストフードも高カロリーで脂質が多いので、なるべく控えましょう。

間食・夜食は控える

お菓子やジュースといった間食も、カロリーが高めです。間食は気軽に摂れるため、つい食べ過ぎてしまうこともあるでしょう。三度の食事を大切にしながら一日の摂取カロリーに気をつけて、間食はなるべく摂らないように心がけましょう。また、夜食として食べたエネルギーは体脂肪として蓄積されやすいので、夜遅くの食事も控えましょう。

アルコールの飲み過ぎには注意する

お酒はカロリーが高いだけでなく食欲を増進するため、飲み過ぎには注意しましょう。一日のアルコールの適切な量は、20gといわれています。日本酒だと1合、ビールだと中ビン1本、チューハイだと350ml缶1本程度にとどめておきましょう。

チェックリストで食生活を振り返ろう

肥満・メタボを気にしている方は食生活のチェックリストを確認して、当てはまっている項目を確認してみましょう。

□朝食を食べない日が週4日以上ある
□満腹になるまで食べてしまう
□食事の時間が遅い
□食事スピードが早い
□外食が多い
□お店で弁当を週3回以上購入する
□インスタント食品をよく食べる
□味の濃い食品をよく食べる
□麺類をよく食べる
□漬物や干物をよく食べる
□魚より肉をよく食べる
□大豆製品をあまり食べない
□野菜・海藻・キノコ類をあまり食べない
□ファーストフードをよく利用する
□天ぷらやカツなどの油料理をよく食べる
□お酒を毎日飲む
□お菓子をよく食べる
□ジュースを1日1本以上飲む

チェックが多いほど肥満・メタボのリスクが高くなります。
食生活を整えて、チェックを減らすようにしましょう。

引用:メタボリックシンドロームからあなたを守る

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控えるべき・摂るべき食品リスト

こちらでは肥満・メタボを予防するために、控えるべき食品と摂るべき食品をご紹介します。

控えるべき食品

  • 脂肪の多い肉
  • ウインナーやハムなどの加工肉
  • 揚げ物
  • ラーメン
  • 漬物
  • 干物
  • お菓子
  • お酒

肥満・メタボの原因となる塩分・脂肪分の多い食品は避けるようにしましょう。

摂るべき食品

  • 野菜
  • 果物
  • 海藻類
  • キノコ類
  • 大豆製品

このような食物繊維・ビタミンが豊富な食品を中心にすると肥満・メタボ予防になりやすいです。

バランスの取れた食事で肥満・メタボ予防を!

乱れた食生活は肥満・メタボにつながるだけでなく、やがて健康に深刻な影響を及ぼします。肥満・メタボを防ぐためには、食生活を含めた生活習慣の見直しが必要です。体形が気になる人は、まずはバランスの取れた食事を摂ることを心がけましょう。

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