がんと食生活には深い関係がある|がんを予防する食事とは
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「がん」は日本人の死因の第1位です。がんは私たちにとって身近な病気ですが、実は食生活と深い関係があります。がんのリスクを軽減するためには、バランスの取れた食生活が欠かせません。この記事ではがんと食生活の関係や、がんの予防をする方法について解説します。

がんは日本人の死因第1位

冒頭で述べたとおり、がんは日本人の死因の第1位です。日本人が生涯でがんになる確率は、男性が約65%、女性は約50%といわれています。男女とも2人に1人以上ががんにかかる計算になるので、がんは珍しくない病気といえるでしょう。また、がんで死亡する確率は男性が約27%、女性は約18%といわれています。

がんはどのような病気なのか

がんは「悪性腫瘍」と呼ばれることもあります。悪性腫瘍は「異常な細胞の集合体」という意味です。本来体内では細胞分裂を繰り返して正常な細胞を増やしますが、何かをきっかけに異常な細胞(悪性腫瘍)が生成されることがあります。

悪性腫瘍が細胞分裂を繰り返して塊になり、がん組織が拡大します。そのため手術で悪性腫瘍を取り除いても、再発や転移を繰り返すケースもあります。がんは大気汚染や喫煙などで発症することがあり、食事もその1つの原因です。がんは完全に防ぐことはできませんが、食生活をはじめとした生活習慣を整えることでリスクを低減することはできます。

がんと食生活は大きく関係している

がんと生活習慣には深い関係があり、がんの予防における重要なポイントに「食生活の見直し」があります。ここからは、がんのリスクを高める食生活について解説します。

塩分の摂り過ぎ

男女ともに、塩分の摂り過ぎは胃がんのリスクを高めます。日本人が1日で摂取する食塩の量の目安は、18歳以上の場合、男性が8.0g未満、女性が7.0g未満なので、この値を参考にして食事を摂ることが大切です。塩分を控えることは胃がんだけでなく、高血圧や心不全などの予防にもつながります。

野菜と果物を摂らない

野菜と果物を摂らないと、がんのリスクが高くなるといわれています。野菜や果物の摂取ががんのリスクを直接的に下げるかどうかはわかっていません。しかし、脳卒中や心臓病といった病気の予防につながることはわかっているので、積極的に摂ったほうがよいでしょう。野菜と果物の摂取量の目安は、一日あたり400g程度といわれています。

熱い食べ物や飲み物を摂る

熱い食べ物や飲み物をそのまま摂ると、熱によって食道が傷つくため、食道がんのリスクが高まるといわれています。熱い場合は少し冷ましてから口にして、口内や食道が傷つかないように気をつけてください。

がんのリスクを下げる食事とは

がんのリスクを下げるためには、栄養のバランスを意識して食事を摂ることが大切です。では、具体的にどのような食事を摂ればよいのでしょうか。

野菜や果物を食べる

ほうれん草やにんじん、イチゴといった野菜や果物には、ビタミンやカロテン、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。これらの栄養素は、がんのリスクを抑えると考えられていますが、予防効果はまだ明らかになっていません。ただし、他の病気を予防する効果はあるので、意識的に摂るようにしましょう。

塩蔵食品はなるべく避ける

塩辛やたらこ、いくらといった塩蔵食品は塩分が多いため、胃がんのリスクを高めるといわれています。塩分の過剰摂取は胃を保護する粘膜を壊し、炎症やピロリ菌の感染によって胃がんを発症するリスクが高まります。男性は1日の食塩摂取量を7.5g未満、女性は6.5g未満と決めて、塩蔵食品を取るのは週に1回以内に留めましょう。

お酒はほどほどにする

お酒を飲む量が多いと、がんのリスクが高まることがわかっています。一日の適正なアルコール量は20g程度で、それを超えるとがんのリスクが高まります。適正なアルコール量を守るために、日本酒なら1合、ビールなら中ビン1本、チューハイなら350ml缶1本を目安にしましょう。特に毎日飲む人は、アルコールを分解する肝臓を休めるためにも、週一日以上の「休肝日」を設けることをおすすめします。

チェックリストで食生活を振り返ろう

自分の食生活を見直すために、チェックリストで確認してみましょう。

□しょっぱいものをよく食べる
□脂っこいものをよく食べる
□野菜や果物を食べることが少ない
□アルコールをよく飲む
□熱い食べ物・飲み物が好き
□間食をよく食べる

チェックが当てはまる方は、がんになりやすい食生活を送っている危険性があります。
1つずつ改善してみましょう。

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控えるべき・摂るべき食品リスト

こちらではがんを予防するために、控えるべき食品と摂るべき食品をご紹介します。

控えるべき食品

  • 塩魚や干物
  • 脂肪の多い肉
  • ウインナーやハムなどの加工肉
  • お菓子
  • お酒

塩分・脂肪分が多い食品とアルコールには十分注意しましょう。

摂るべき食品

  • 野菜
  • 果物
  • 穀物
  • 豆類
  • 根菜類

このような植物性食品を中心とした食生活を整えるとがん予防になりやすいです。

食生活を改善することががん予防につながる

乱れた食生活は生活習慣病につながるだけでなく、がんの発症リスクも高めます。がんを予防するためには食生活を見直して、栄養のバランスを整えることが大切です。健康が気になる人は、自分の食生活をあらためて見直してみましょう。

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