【突然倒れる前に食事を見直す】塩分・脂質のとりすぎは脳卒中へのリスクになる
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塩分が多いものや脂っこいものをついたくさん食べてしまう、ということはないでしょうか。そのような栄養バランスの悪い食事を続けていると、脳卒中になるリスクが高まります。この記事では、乱れた食生活が脳卒中の原因になる理由や、脳卒中を予防する方法について解説します。

食生活が原因で脳卒中になる人は多い

食生活が原因で脳卒中になる人は少なくありません。特に以下の食品は脳卒中のリスクが高まりやすいので、摂り過ぎには十分注意してください。

  • アルコール(ビール、日本酒など)
  • 動物性脂肪(肉の脂身、ラードなど)
  • 加工食品(ハム、ソーセージなど)
  • お菓子(チョコレート、ケーキなど)

適切な量であれば、アルコールはストレスを軽減することや動脈硬化(血管が硬くなる病気)に起こすリスクを減らすといわれています。しかし、摂取量が増えると脳卒中だけでなく糖尿病、肥満といった病気を招きます。

脳卒中とはどのような病気なのか

脳卒中には、血の塊で脳の血管が詰まって発症する「脳梗塞」と、脳の血管が破れて発症する「脳出血・くも膜下出血」があります。脳卒中の原因として高血圧や喫煙、飲酒、肥満などが挙げられます。飲酒はもちろん、その他の原因も食生活と大きく関わっています。脳卒中の主な症状は、以下のとおりです。

  • 手足や顔面の半分が動きにくい
  • 手足や顔面の半分が痺れる
  • 口が回らず、声が出にくい

脳卒中は後遺症が残るケースが多く、完治後も日常生活に支障が出ることがあります。

乱れた食生活が続くと脳卒中になる理由

乱れた食生活によって脳卒中が発症するのは、高血圧によって動脈硬化が進行するからです。動脈硬化は、血圧が高くなることで血管にかかる負担が大きくなり、少しずつ血管が硬くなる病気です。動脈硬化が進行すると、血栓ができて血管が詰まりやすくなり、それが脳卒中の原因になります。

特に塩分が多い食品やお酒の飲み過ぎは高血圧になるリスクを高めるので、動脈硬化の進行を防ぐためにも注意が必要です。その他の高血圧になるリスクとして、喫煙や肥満、運動不足などが挙げられます。

肥満が高血圧症につながる理由

乱れた食生活は肥満を招き、それが高血圧につながります。肥満が高血圧につながるのは、塩分の摂取が過剰になり、それによって体内の血液量が増えるからです。肥満の人は摂取カロリーが多く、塩分が多いものをたくさん食べる傾向があります。そのため体内のナトリウム(塩分)の濃度が高くなり、身体はそれを薄めるために血管内の水分を増やそうとします。

しょっぱいものを食べると喉が渇きますが、それは体内の塩分濃度を下げようとしているためです。結果的に体内の血液量が増えるので、心臓にかかる負担が大きくなり、血圧が上がります。
肥満を改善・予防するためには、食べ過ぎに注意するだけでなく、運動を継続的に行うことも大切です。運動不足を解消するだけでも、肥満や高血圧などの生活習慣病を予防できることがわかっています。

脳卒中にならないための食事とは

脳卒中を予防するためには、乱れた食生活を改善する必要があります。ここからは、食生活における注意点について解説します。

減塩する

「食生活で気を付けるべきこと」と聞かれて、真っ先に「減塩」を思い浮かべる人は多いでしょう。前述のとおり、塩分の摂り過ぎは高血圧や動脈硬化のリスクを高めます。1日の食塩の摂取量は男性が7.5g、女性が6.5gといわれています。減塩によって薄味の食事になるのが嫌な人は、レモンやお酢、香辛料、香味野菜などをうまく組み合わせるとよいでしょう。味付けの物足りなさをカバーしてくれます。
また、しょうゆやソースなどの調味料使用する際は、おかずなどに直接かけるではなく、別皿にとってつけて食べるようにしましょう。つけて食べるほうがかけて食べるより調味料の量が少ないので、塩分の摂取をおさえられます。

脂肪(コレステロール)を摂り過ぎない

脂肪にはコレステロールがたくさん含まれています。コレステロールを過剰に摂取すると動脈硬化を引き起こし、それが脳卒中につながります。動脈硬化を防ぐためには、コレステロールが少ない食品を選びましょう。お肉を食べる際は、脂身が多い部分は避けたほうがよいでしょう。特に鶏肉のささみと胸肉の部分は、豚肉・牛肉と比較すると脂質が少ないのでおすすめです。魚類にはコレステロールを下げる成分が含まれていますが、コレステロールが高い卵や内臓部分は避けましょう。

食べ過ぎない

食べ過ぎに注意して、腹八分目を心がけましょう。摂取したカロリーが消費したカロリーを上回ると、脂肪が溜まって肥満につながります。運動も大切ですが、食べ過ぎを避けることも同じくらい大切です。1日の平均的なカロリーは成人男性が約2,650キロカロリー、成人女性が約2,000キロカロリーといわれています。食品にはカロリー数が記載されているので、1日にどのくらい食べているのか調べみるのもいいかもしれません。

野菜や果物を食べる

野菜や果物は栄養素を豊富に含んでいます。ほうれん草やニンジン、バナナにはカリウムという血圧を下げる成分が含まれており、高血圧を改善する効果があります。モロヘイヤやごぼうには便通を良くする食物繊維が含まれており、肥満の改善につながります。普段不足しがちな野菜や果物は積極的に摂りましょう。

アルコールはほどほどにする

前述のとおり、お酒の飲み過ぎは高血圧や脳卒中だけでなく、さまざまな病気を引き起こします。1日の適度なアルコール量は20gといわれています。日本酒なら1合、ビールなら中ビン1本、チューハイなら350ml缶1本が目安です。またアルコールを分解するはたらきのある肝臓を休めるためにも、週1日以上の休肝日をつくりましょう。

食生活を正して脳卒中を予防しよう

食生活は健康に大きな影響を及ぼします。乱れた食生活が続くとやがて脳卒中になり、その後の生活に支障をきたします。脳卒中を予防するためには毎日の食事に留意して、栄養をバランス良く摂取することが大切です。いつまでも健康でいられるように、自分の栄養バランスを見直しましょう。