【好きなものだけを食べ続けるのは危険】無計画な食生活が高血圧につながる理由とは
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日本では、20歳以上の国民の2人に1人が高血圧症になっているといわれています。高血圧の主な原因は、食生活の乱れです。この記事では高血圧症になる食生活の内容や、その対策について解説します。

食生活の乱れが原因で高血圧症になる人は多い

手軽に食べることができるジャンクフードや、コンビニ弁当などばかり食べているとそれは生活習慣病である高血圧症を招きます。栄養バランスを考えない無計画な食生活は、徐々にあなたの身体を蝕んでいるのです。

その一つの生活習慣病が高血圧症ですが、そもそも高血圧症とはどのような病気なのでしょうか。

高血圧症とはどのような病気なのか

収縮期血圧(最高血圧)が140mmHg以上、拡張期血圧(最低血圧)が90mmHg以上、これらのどちらか一方または両方の血圧値が常に超えている状態が、高血圧症です。

身体を動かしたり、寒さを感じたり、緊張したりすると血圧は一時的に上昇しますが、通常はすぐに正常な値に戻ります。しかし、高血圧症になると常に血圧が高い状態になるため、血管に傷をつけたり、血管の柔軟性が失われたりします。血管の柔軟性が失われ、固くなってしまった状態を動脈硬化と呼びます。

高血圧の状態を放置すると動脈硬化が進み、心疾患の心筋梗塞や心不全、また脳では脳梗塞や脳卒中、認知症などのリスクが高まるのです。

高血圧症の主な原因は、塩分の過剰摂取によって血液量が増えることです。その他、肥満や運動不足、睡眠不足、過剰飲酒、喫煙、ストレスなども高血圧症の原因といわれています。

肥満が高血圧症につながる理由

血圧は、心臓から送られる血液の量が多くなるほど高くなります。心臓から送られる血液の量は体重に比例するため、肥満度が高くなるほど血管の負担が大きくなります。そのため、普段の食事だけでなく、運動や睡眠、飲酒や喫煙などの生活習慣を見直すことが大切です。

高血圧にならないための食事とは

高血圧を予防するためには、どのような食事を摂ればよいのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

塩分の多い食品の量を減らす

塩分の多い漬物や味噌汁はなるべく食べる機会を減らすようにしましょう。そのほかにも塩分の多いラーメンなどの麺類のスープは残すといった工夫が減塩につながります。かまぼこやさつま揚げなどの練り製品や、ハム・ソーセージなどの加工食品も塩分を多く含んでいるため、食べる量や頻度に気を付けましょう。

外食を控える

外食時は、見ただけではどのくらい食塩が使われているかがわからないため、注意が必要です。加工食品も同じことがいえるため、できるだけ自炊を心がけましょう。また外食する時は、飲食店によってメニューに塩分量が掲載されていることもあるので、参考にしましょう。

調味料は「つけて食べる」

しょうゆやソースには塩分が含まれています。しょうゆやソースを使わない食事が理想ですが、ストイックに「禁止」するのではなく、使う際の工夫が大切になります。摂りすぎを避けるために、しょうゆやソースを使う際は、おかずなどに直接「かけて食べる」のではなく、小皿にとり「つけて食べる」ようにしましょう。そうすることで、食塩の摂取量を抑えられます。

酸味のある食材や香辛料をうまく使う

塩味のかわりとなるレモンやお酢などの酸味のある食材やスパイスなどの香辛料などをうまく使うことで塩分を抑えられます。また香りが良い大葉やみょうが、すだち、柚子などといった食材も塩分が少なくても満足度が高くなるためおすすめです。

焼き目をしっかりつける

焼き魚や肉料理などでは塩分の多い醤油やタレをかけて食べることも多い料理です。そのような料理では、焼き目をしっかりつけることで焦げの風味が食材に香ばしさを加えてくれます。そのほかの料理でも塩分が少ないと味気なく感じがちですが、焼き目や揚げたときの香ばしさを活かすことで塩分の少なさをカバーできます。

野菜を積極的に摂る

野菜や果物には、体の余分な塩分(ナトリウム)や水分を調節し、血圧を下げる働きがある「カリウム」が多く含まれています。カリウムは野菜や果物のほかにも、いも類や海藻類に多く含まれるため、食事にはサラダや野菜炒め、ひじきの煮物などのメニューをなるべく取り入れましょう。

果物もカリウムを豊富に含んでいるので、おやつ代わりに食べるとよいでしょう。ただし食べ過ぎは厳禁です。手のひら分くらいの適量に留めることが大切です。

低脂肪を心がける

高血圧症の原因となる肥満を予防するためには、カロリーオーバーにも気を付けたいものです。脂肪分の多い食事は肥満のリスクを高めます。肉や魚を選ぶ際は赤身の多い部分を選び、しゃぶしゃぶやステーキ、焼き魚などのように茹でたり焼いたりすることで余分な脂肪分を落とすことができます。そのほかにも脂肪分の多いラーメンやてんぷらなどの揚げ物の食べ過ぎにも注意が必要です。

お酒を飲み過ぎない

過度の飲酒も高血圧症の原因の一つです。お酒の飲み過ぎだけでなく、飲酒の習慣化も高血圧のリスクを高めるため、週1日以上の「休肝日」を設けましょう。飲酒は食べ過ぎや塩分の過剰摂取にもつながりやすいので、十分注意してください。

お酒のアテに注意

お酒に合う焼き鳥(タレ)やチーズ、ポテトサラダなどのおつまみは、塩分を多く含んでいるものも多くあります。枝豆や冷やしトマトなどのシンプルな料理や、刺身などの自分で塩分を調節できる料理を選ぶようにするとともに、食べる量も調節しましょう。

健康的な食事を心がけて高血圧を予防しよう

高血圧症を放置すると、重大な病気を引き起こすことにつながります。そうならないためには、食事の乱れを今から少しずつ改善することが大切です。食生活を一気に変えることは難しいので、できることから実践していきましょう。