【倒れてからでは遅い】運動不足が高血圧に|予防・改善で抑えるべきポイントとは
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運動不足は肥満や血行不良を招き、高血圧の原因となることがわかっています。

高血圧は自覚症状がほとんどありませんが、進行すると心筋梗塞や脳梗塞などの合併症を引き起こし、ある日突然倒れてしまう危険のある病気です。

この記事では、運動不足と高血圧の関係について考えます。高血圧を予防・改善する運動方法についても紹介するため、血圧が高めの方や運動不足が気になる方はぜひ参考にしてください。

運動不足が原因で高血圧症になる人は多い

運動不足は喫煙と並び、生活習慣病を引き起こす主な要因の一つです。高血圧症も例外ではなく、運動不足によって高血圧症になる人は少なくありません。

肥満や脂質異常症などといった生活習慣病も発症しやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞などによる死亡リスクも高まります。

令和3年版厚生労働白書によると、日本において「運動不足」による関連死亡者数は「喫煙」「高血圧」に次いで第3位であり、年間約5万人にも上ります。

高血圧症とはどのような病気なのか

高血圧症は、正常血圧値よりも高い状態が慢性的に続く病気です。

日本高血圧学会の高血圧診断基準によると、最大血圧と呼ばれる安静時の収縮期血圧が140mmHg以上、または最小血圧と呼ばれる拡張期血圧が90mmHg以上の場合を高血圧と診断する、とされています。

血圧が高い状態が続くと常に血管が圧迫されるため負担がかかり、動脈硬化を起こしやすくなります。心筋梗塞や狭心症、脳梗塞、脳出血などの合併症を引き起こし、ある日突然倒れてしまうこともあるのです。

高血圧症は生活習慣病における最大のリスク要因であり、十分注意する必要があります。

運動不足が続くと高血圧になる理由

慢性的な運動不足は肥満を招きます。肥満の人は過食による塩分・アルコールの過剰摂取や内臓脂肪により、肥満でない人に比べて2〜3倍高血圧になりやすいことがわかっています。

運動量が減ると血液の流れが悪くなります。すると心臓は全身に血液を送るために血液量を増やします。その結果、血管に負担がかかり血圧が上昇するのです。このように血圧が高い状態が続き高血圧症となるのです。

肥満が高血圧症につながる理由とは

肥満の人は以下のような理由で、高血圧になりやすい傾向があります。

  • 過食による塩分・アルコールの過剰摂取
  • インスリンが過剰に分泌されることによる血管収縮
  • 脂肪細胞から分泌される物質による血管収縮

肥満は内臓に脂肪がつく「内臓脂肪型肥満」と、皮膚の下に脂肪がつく「皮下脂肪型肥満」に分けられます。高血圧症を発症しやすく注意が必要なのは「内臓脂肪型肥満」です。

内臓脂肪によって血管が圧迫されて血圧が上がるだけでなく、高血糖や悪玉コレステロールが増えることによっても動脈硬化が進みます。動脈硬化は、高血圧の合併症である心臓病や脳卒中の要因でもあるのです。

高血圧にならないために日常に取り入れるべき運動とは

適度な運動によって血管が拡張し、血流が改善するため血圧を下げる効果があります。肥満や内臓脂肪の解消にもつながるため、高血圧症の抜本的な改善が期待できます。

ここでは高血圧を予防するために、日常に取り入れたい運動について解説します。

血圧を下げるために効果的なのは有酸素運動

高血圧症の改善に効果があるのは、ウォーキングやジョギング、水中散歩などの有酸素運動です。「ややきつい」と感じ、軽く汗ばむ程度が理想ですが、運動に慣れていない人は無理のない範囲で行いましょう。

まずは日常生活で以下のようなことを意識し、少しずつ身体を動かす機会を増やしていきましょう。

  • 家の近所などを散歩する
  • エスカレーターやエレベーターではなく階段を使う
  • 自転車や徒歩で買い物に行く
  • いつもより念入りに掃除や洗車を行う

毎日30分以上の運動を目標に

運動する頻度は「毎日」が理想です。毎日運動することが難しい場合でも、「週に〇回は運動する」と決めて定期的に行いましょう。

運動時間の目標は「30分以上」です。朝と夜にそれぞれ15分以上ずつ行うなど、1日の中で数回に分け、合計で30分以上としても構いません。

激しい運動やきつい筋トレは避ける

高血圧症の人が運動を行う場合は、運動種目を選びましょう。マラソンやサッカーなどの激しい運動や、重量挙げのようなきつい筋トレは避けましょう。高強度の激しい運動やきつい筋トレは血圧が急激に上昇し、身体への負担が大きくなるためです。

これらの運動を行いたい場合は、必ずかかりつけの医師に相談しましょう。

ウォーキングやジョギングなど低・中強度で、血圧の上昇が少ない運動からはじめるようにしましょう。

運動を習慣化して高血圧を予防しよう

高血圧症は、生活習慣の見直しによって予防できる病気です。

適度な運動は血圧を下げるだけでなく、高血圧の合併症リスクを高める肥満を予防する効果も期待できます。

運動を習慣化して、高血圧をはじめとした生活習慣病を予防しましょう。運動が苦手な人は、まず日常生活のなかで身体を動かす機会を増やしてみることをおすすめします。

文・WELLXiL編集部