【寝付きが悪い人の特徴4つ】なかなか寝つけない人の改善方法とは
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仕事で疲れているはずなのに、布団に入るとなかなか眠れない。不眠の症状のなかでも悩みとして多いのが、寝付きの悪さです。寝付きが悪いと睡眠時間が減少し、心身の健康にも影響を与えます。

寝付きを良くするためには、生活習慣の改善が必要です。今回は寝付きが悪い人に共通する特徴から、寝付きを良くして快適な睡眠を手に入れるための方法を解説していきます。

寝付きを良くするには朝の行動から意識

「寝付きを良くするための生活習慣」というと、夜間や就寝前の行動をイメージする人が多いでしょう。しかし、気持ちよく眠りに入るための準備は、朝起きた時から始まっています。

朝起きる時間や太陽の光、運動、食事など、あらゆることが寝付きの良し悪しに影響しているのです。起きている時間の行動がその日の睡眠に直結していると、まず意識しましょう。

寝付きが悪い人の4つの特徴 

寝付きが悪い人には、共通する特徴があります。思いもよらないささいな行動が、寝付きの悪さの原因となっている場合もあるかもしれません。自分に当てはまることがないか、確認してみましょう。

1.寝る直前までスマホを触っている 

寝る直前までスマホが手放せない、という人も多いのではないでしょうか。

スマホやテレビ、パソコンから発せられる強い光やブルーライトは、睡眠の質を低下させてしまいます。強い光は脳を興奮させ、ブルーライトは睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制します。メラトニンの抑制によって、脳は昼間だと勘違いしてしまうのです。

目覚ましの設定やLINEのチェックなど、スマホを少し使用する程度なら大きな影響はありませんが、寝る直前に長時間スマホを見ることは避けましょう。寝る1時間前からはスマホの使用を控え、布団に持ち込まないことをおすすめします。

2.毎日起きる時間と寝る時間がバラバラ

「昨日は早めに寝たが、今日は夜更かし」「平日は早起きをするが、休日は昼過ぎまで寝ている」など、毎日起きる時間と寝る時間がバラバラで不規則だと、眠気と覚醒のサイクルが乱れやすくなります。

体内時計が乱れることにより、夜自然に眠ることができなくなってしまうのです。

3.よく眠るために飲酒をする 

アルコールには、眠りに誘ったり気持ちを落ち着かせたりする効果があります。そのため、寝付きが悪いときに睡眠薬代わりとして飲酒する人も少なくないでしょう。

しかし、効果は一時的なものです。体内でアルコールを分解するときに脳が活性化されるため、眠りが浅くなってしまいます。結果的に睡眠の質が悪くなるのです。

また、寝酒を続けていると身体がアルコールに慣れて、次第に摂取量が増えてしまいます。アルコール依存症のリスクもあるため、眠るために飲酒をすることは避けましょう。

飲酒自体は悪いことではなく、リラックスのための晩酌は効果的です。飲酒をするときは、飲みすぎず、最低でも寝る3時間前までには晩酌を切上げましょう。

4.早く寝なければ!と焦ってしまう 

「明日も仕事なので、早く寝なければ!」など、布団に入ってもなかなか眠れないと焦ってしまいます。しかし、焦りや不安を感じるとストレスから交感神経が優位になります。

交感神経が優位になると緊張や興奮状態になり、寝付きが悪くなってしまいます。

寝付きが悪い場合の改善方法 

寝付きが悪いと睡眠の質が下がって疲れが取れないため、仕事の効率低下など日中の活動にも悪影響を与えます。寝付きの悪さを改善するには、生活習慣の見直しが必要です。

ここでは、快適な睡眠のために行うとよい行動を解説します。

1.起きる時間と寝る時間をできるだけ統一 

体内時間のリズムを整えるために、起きる時間と寝る時間はできるだけ毎日統一しましょう。休みの日は遅くまで寝ていたいところですが、いつもの起床時間の2時間以内には起きないと、リズムが乱れて平日に起きるのが辛くなってしまいます。

体内時計は24時間よりも少し周期が長いため、毎日同じ時間に起床・就寝することでリズムを整えましょう。

2.朝起きたら太陽の光を浴びる 

毎朝決まった時間に起きたら、カーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。

朝の光が時報となり体内時計がリセットされ、夜の決まった時間に自然に眠くなります。朝起きる時間がバラバラだと、朝に太陽を浴びる時間も日によって異なるため、体内時計のリズムが安定しなくなってしまうのです。

3.日中はしっかり活動する 

睡眠の目的は、脳や身体を休めて疲労を回復させることです。身体が疲れていなければ、脳は休息が必要ないと判断してしまいます。日中からしっかりと活動して脳や身体を働かせることで、夜は自然に眠りにつくことができるのです。

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は特に有効です。1日30分でも十分効果があるため、ぜひ生活習慣として取り入れてみてください。身体を動かすことでストレス発散もでき、より質の良い睡眠につながります。

4.夜はリラックスして副交感神経を優位に 

睡眠と大きく関係しているのが、交感神経と副交感神経からなる自律神経です。寝るときに交感神経が優位になると、緊張や興奮状態になって寝付きが悪くなってしまいます。寝付きをよくするためには、血圧や脈拍が下がりリラックスした状態である副交感神経を優位にすることが大切です。

38~41℃のお湯での入浴は、副交感神経を優位にします。お湯の温度が42℃以上だと交感神経が優位になるため、熱いお湯が好きな人は寝る2時間前までに入浴を済ませましょう。好きな音楽を聴く、ストレッチをして身体をほぐすなど、寝る前にはリラックスして過ごすのがおすすめです。

5.眠れないことを気にしすぎない 

寝付きが悪いことを気にしすぎないことも大切です。「今夜も眠れなかったらどうしよう」などと考えすぎると眠ることが怖くなり、緊張や不安からますます眠れなくなってしまいます。寝付きが悪いときは誰にでもあり、珍しいことではありません。気にしすぎたり心配しすぎたりせず、気持ちに余裕を持ちましょう。

寝付きに影響する飲食とは 

日中のカフェイン摂取量を抑えることは、睡眠の質向上には欠かせませんが、それ以外にも寝付きを良くするために意識しておきたい食べ物、飲み物について解説します。

カフェインの摂取は16時まで 

カフェインには覚醒作用があり、入眠を妨げてしまいます。完全にカフェインが代謝、排出されるには約8時間かかるため、16時以降は摂取を控えるのが理想的です。最低でも、寝る4時間以内はカフェインを摂らないようにしましょう。

カフェインはコーヒーや紅茶だけでなく、ココアやチョコレートにも含まれているため、注意が必要です。

消化の悪い食べ物は眠りを妨げる 

夕食や寝る前の食事は、消化が悪い食べ物をできるだけ避けましょう。油やバターを使った脂質の多い食べ物やごぼうなど食物繊維が豊富な食べ物は、消化が悪く入眠の妨げとなります。

これらは胃腸へ負担が大きく、消化に時間がかかります。就寝時になっても消化器官が休めずに働き続けるため、睡眠を妨げてしまうのです。

脂質の多いステーキや揚げ物などのスタミナメニューはできるだけ昼食に済ませ、夕食はヘルシーな食事を心がけましょう。白米やうどんなど消化の良い炭水化物を中心に、野菜やタンパク質なども取り入れたバランスの良いメニューがおすすめです。また、寝付きを良くするための理想は、就寝の3時間前までに夕食を済ませることです。

寝る前の温かい飲み物でスムーズな入眠を 

温かい飲み物を飲むと、副交感神経が優位になります。寝る前に飲むことで、体が温まり心身がリラックスした状態で眠りを促すのです。

寝付きを良くするには、飲み物の選び方が重要になってきます。おすすめは、胃腸に負担をかけない白湯や、ルイボスティーなどノンカフェインのハーブティーです。

カフェインはもちろんですが、脂質や糖質が多い飲み物は、消化器官の活動を促すため避けましょう。ホットミルクは脂質と糖質、市販の生姜湯や甘酒などは糖質が多いため注意が必要です。

また、寝る前に水分を摂りすぎるとむくみの原因になったり、夜中トイレで起きてしまったりする可能性もあります。コップ1杯程度にとどめて、飲みすぎには注意しましょう。

寝付きを良くし睡眠の質を高めよう 

寝付きを良くするためには、寝る数時間前の行動だけなく1日を通した生活習慣を見直すことが必要です。

毎朝決まった時間に起きて太陽の光を浴び、適度な運動を行ってストレスを溜めない習慣は、睡眠にとって重要であることはもちろん、心身を健康に導きます。

朝起きた時から快適な睡眠のための準備は始まっているのです。寝付きを良くして、睡眠の質を高めましょう。

文・WELLXiL編集部