「休日はぐったり」「何もやる気がおきない…」感じたことがある人はうつ病チェックリストを試してみよう
(画像=Rummy&Rummy/stock.adobe.com)

「体がだるい」「眠れない」
長引くその症状、もしかしたらうつ病かもしれません。

うつ病はこころと脳の病気ですが、治療で克服できます。しかし、自分がうつ病かどうかわからない人もいるのではないでしょうか。

この記事を読んで、まずは自分自身と向き合うことから始めましょう。

うつ病とはこころと脳の病気

うつ病は、こころと脳の病気です。原因ははっきりしていませんが、遺伝的な要因にさまざまなストレスが加わり、脳がストレスをうまく処理できず、こころとからだにさまざまな症状となって表れます。

ストレスの要因は大きく分けて、環境要因と身体的要因があります。詳細は以下のとおりです。

<環境要因>

  • 仕事上でのプレッシャーや失敗、長時間労働
  • 上司のハラスメントや部下との対立などの人間関係の問題
  • 突然のリストラや異動、転職
  • 家庭内の問題(不仲、恋愛問題、離婚、死別など)
  • 友人や恋人との人間関係の問題
  • 事故や災害の経験
  • 金銭トラブル

<身体的要因>

  • 病気や怪我(痛みや倦怠感、孤独感、焦燥感など)
  • 睡眠不足
  • ホルモンバランスの変化(月経・出産・更年期など)

うつ病の原因は1つではなく、さまざまな要因が絡み合って発症します。

うつ病のサイン

うつ病のサインには、こころのサインとからだのサインがあります。片方だけ表れることもあれば両方表れることもあり、複数のサインが表れることもあります。

<こころのサイン>

  • 以前は好きだったことや趣味をする気力がない
  • 何もしたくない
  • 悲観的になる
  • 気分が落ちこむことが増える
  • 集中できない
  • 落ち着かない
  • イライラする
  • 考えることが面倒になる

<からだのサイン>

  • 食欲がない
  • 美味しいと感じない
  • 涙もろくなる
  • 寝付きが悪くなる
  • 早朝に目が覚めてしまう
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 疲れが取れない
  • 体がだるい
  • 口が渇く
  • 頭痛・肩こり
  • めまい
  • 動悸がする
  • 汗が止まらない
  • 便秘や下痢
  • からだの節々の痛み

からだのサインだけでは、うつ病と判断するのは難しいかもしれません。こころのサインに心当たりがあっても、人によっては我慢してしまったり、周りの人に相談できなかったりして、受診に至らないこともあります。

うつ病をチェックできるツールを使ってみよう

うつ病を早期に発見するためのツールがあり、自分のこころとからだの状態を客観的に知ることができます。受診の際に持っていくのもよいでしょう。

自己診断チェックシート(SRQ-D)(出典:公益社団法人日本精神神経科診療所協)

判定結果は以下のとおりです。

  • 10点以下:うつ病である可能性は低い
  • 11~15点:境界領域
  • 16点以上:うつ病の可能性あり

うつ病は、早期発見・早期治療が有効とされています。チェックリストで16点以上だった場合でも、その結果がすべてではないため、より詳しく調べるために受診することをおすすめします。

「休日はぐったり」「やる気が出ない」という時の対処法

「休日はぐったり」「やる気が出ない」といったうつ病のサインがある場合の対処法は、以下の3つです。

  • まずは十分な休息をとる
  • それでもつらい場合は受診する
  • 治療を受ける

1つずつ解説します。

まずは十分な休息をとる

うつ病のサインがある場合は、何よりもまず十分な休息をとりましょう。十分な休息とは、「何もしないこと」です。

うつ病の傾向がある人は「休むことは悪いこと」と思っており、常に何かをしていなければならないと考えています。何もしないとさまざまな刺激がなくなるため、心身ともにリラックスできます。

十分な休息が取れない場合は、入院も検討しましょう。「入院」と聞くと、「行動が制限され、かえってストレスを感じるのではないか」と思うかもしれません。しかし、環境をガラっと変えることで、うつ病の症状が軽くなるケースもあります。

いずれにしても、まずはこころとからだをしっかり休ませましょう。

それでもつらい場合は受診する

休息をとったにもかかわらず、苦しい症状が続く場合は病院へ受診しましょう。

適した診療科は精神科あるいは神経科ですが、ハードルが高いと感じる場合は、まずはかかりつけ医に相談するとよいでしょう。その際に自己診断チェックシートの結果を持っていくと、状況によっては専門医を紹介してくれます。

1人で抱え込まず、まずは医師に相談しましょう。自分の状況を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になるはずです。

治療を受ける

医師に「治療の必要がある」といわれたら、治療を受けましょう。うつ病の治療には、薬物療法と精神療法があります。

薬物療法では主に抗うつ薬が使われますが、薬の効果が出るまで2〜4週間かかります。また個人差はありますが、うつ状態の改善には時間がかかります。治療中は、医師の指示どおりに薬を飲むようにしましょう。途中で飲むのを止めたり、自己判断で薬の量を調整したりしてはいけません。治療の効果を正しく判定できなくなるからです。

精神療法で主に行われるのは「認知行動療法」です。これは、医師との話し合いの中で「否定的な思考」を「柔軟な思考」に変えていくものです。

専門の医師が、個人の状況に合わせて治療方針を決めます。治療中に不安なことや気になることがあれば、何でも気軽に相談してみましょう。

つらいときはがんばらなくてもいい

うつ病は、遺伝的要因にさまざまなストレスが加わって発症します。その症状は多岐にわたるため、つらい思いをしている人もいるでしょう。

自己診断チェックシートを用いれば、うつ病の早期発見につながります。抑うつ傾向と判定されたら、がんばらずに十分な休息をとりましょう。それでもつらい場合は、専門医に相談することをおすすめします。

文・WELLXiL編集部