
「最近なんだか疲れやすい」
「寝つきが悪くて何度も目が覚めてしまう」
「急にめまいや片頭痛が始まるのがつらい」
これらの症状、もしかしたらストレスサインかもしれません。ストレスサインとは、ストレスによって引き起こされる症状のことで、今のあなたのこころの状態を表しています。
定期的にストレスサインが出ていないかを自分で観察することで、こころの疲れを予防することができます。
この記事を読んで、まずは自分のこころに向き合うことから始めましょう。
こころの状態を把握するためにストレスについて理解する
ストレスとは
ストレスとは外から刺激を受けた時に生じる、こころとからだの緊張状態のことです。
人間にはホメオスタシスという機能が備わっており、外的刺激からこころとからだを守っています。ホメオスタシス(生体恒常性)とは外部の環境が変わっても、からだを一定に保とうとする仕組みのことです。例えば、外の気温が寒くても、暑くても人の体温が一定に保たれているのは、ホメオスタシスの働きによるものです。
しかし、外的刺激が強すぎるとホメオスタシスがうまく機能しなくなり、さまざまな症状となってこころとからだに表れます。これがストレスサインです。
ストレスサインの表れ方には、個人差があります。物事の捉え方と、それに対する処理の仕方は人によって異なるからです。外的刺激の大きさと刺激の捉え方によって、ストレスサインの表れ方が変わってきます。
ストレスの原因
「ストレス」という言葉はもともと、物理学で使われていました。物体に加えられた圧力に対する力を表しています。それが生理学的も使われるようになり、私たちの知る「ストレス」として認知が広がりました。
つまりストレスは、外部からの刺激によって起こります。外部からの刺激には、以下の4つがあります。
- 環境が要因となる:暑い、寒い、うるさい、眩しいなど
- 身体の不調が要因となる:倦怠感、頭痛、筋肉痛、病気、怪我、睡眠不足など
- こころの不調が要因となる:不安、孤独感、悲しさ、寂しさ、悩みなど
- 社会的な出来事が要因となる:人間関係(上司と馬が合わない、離婚、失恋など)、仕事のプレッシャー、長時間労働など
いくつかの要因が複雑に絡み合って、こころとからだにさまざまなサインとして表れるのです。
ストレスを表す初期サイン
ストレスを表すサインには、以下の3つの側面があります。
- 心理面
- 身体面
- 行動面
初期サインについて詳しく見ていきましょう。
心理面
気分の落ち込み、興味・関心の低下、イライラ、意欲の低下、集中力の低下など
身体面
寝つきが悪い、夜中に目が覚める、疲れ、頭痛、肩こり、目の疲れなど
行動面
飲酒量・喫煙量の増加、食欲亢進(ドカ食い)、欠勤・遅刻の増加、引きこもりなど
これらのサインのすべてがストレスによるものとはいえませんが、長期間続いたり、症状がひどくなったりした場合は、ストレスサインと考えられます。
自分のこころの状態をチェックしてみましょう
それでは、実際にストレスチェックシートを用いて、あなたのこころの状態をチェックしてみましょう。
結果からわかる自分のこころの状態とは
ストレスチェックシートの結果からわかるのは、ストレス反応が高いかどうかです。
ストレス反応が高い状態は、以下のとおりです。
- 「A:心身のストレス反応」の合計点数が31点以上
- 「B:仕事のストレス反応」と「C:周囲のサポート」の合計点数が39点以上
かつ「A:心身のストレス反応」の合計点数が23点以上
このストレスチェックは事業者が労働者に対して行うもので、自分のこころの状態を知ってもらうことを目的としています。ストレス反応が高いと判定された場合は、必要に応じて専門家の面談を受けることも可能です。
ストレスとうまく付き合う5つの方法
現代社会において、ストレスなく生活することは難しいかもしれません。しかし、ストレスとうまく付き合うことができれば、ストレスサインを減らすことができます。
この章では、ストレスとうまく付き合う方法を5つ紹介します。
完璧主義をやめる
すべてを完璧に行うことはできないため、たまには手を抜くことも大切です。完璧を求めると、できなかった時に自己嫌悪に陥り、自分を苦しめることになります。それがストレスになってしまうため、肩の力を抜いて行動しましょう1人で抱え込まない
何かに悩んだり行き詰まったりした時は、1人で抱え込まずに誰かに相談しましょう。1人では解決できないことも、第三者のアドバイスによって簡単に解決することがあります。悩んだときは、勇気を出して誰かに相談してみましょう。自分の時間を作る
忙しい毎日の中でも、時には自分のために時間を作りましょう。趣味の時間やのんびりする時間は、こころとからだをリフレッシュしてくれます。その結果やる気が出てきて、物事をスムーズに進められるでしょう。睡眠時間を十分に取る
睡眠不足は、ストレスの原因になります。睡眠をしっかり取って、こころとからだを休めましょう。そうすれば体内リズムが整い、外部的からの刺激に対抗できるようになります。お酒や薬に頼らない
お酒や薬に頼るのは禁物です。お酒を飲み過ぎるとアルコール依存症になるおそれがあります。また、眠れないからといって毎日のように睡眠薬を飲んでいると、次第に睡眠薬を飲まないと眠れなくなってしまいます。
自分のこころの状態と向き合うことが大切
いつもと違う…。モヤモヤする…。最近ストレスを感じることが多い。このような状態が少しでも続くなら、我慢するのではなく向き合うことが大切です。
前述のストレスチェックシートで確かめてみる、誰かに相談するなど、自分のこころの状態を把握して、行動してほしいと思っています。場合によっては、専門医に相談してもよいでしょう。
辛いと感じている人、不安を感じている人が、この記事を読んで、少しでも改善されれば幸いです。
文・WELLXiL編集部