
ストレッチは自宅で気軽に行えるものながら、身体の調子を整えてくれる素晴らしい運動といえます。ストレッチを行うことでさまざまな効果を得られますが、オーバーストレッチはケガのもとです。
そのため、ストレッチのやりすぎには十分注意しましょう。
ストレッチの効果
ストレッチとは、関節や筋を意図的に伸ばすことで筋肉の柔軟性を高める運動のことです。柔軟性を高める以外にも、筋トレ前後の準備運動や整理運動としても行われます。自宅で気軽に行えるため、運動不足の方でも取り組みやすいはずです。
ストレッチによって柔軟性を高めることで、さまざまな効果が期待できます。
ダイエット効果
まず、ストレッチにはダイエット効果があります。凝り固まった筋肉や関節をほぐせば血行不良が改善され、酸素や栄養素が全身に行き渡り、基礎代謝が向上するからです。基礎代謝が向上すれば、筋トレの効果も高まります。
痩せたい方は、ストレッチを行って柔軟性を高めましょう。
筋肉の疲労や痛みの改善効果
血行不良が改善して血の巡りが良くなれば、疲労物質や老廃物が排出されやすくなるので、疲労回復効果が期待できます。また、筋肉が固まったままだと身体が正しく動かず、関節にも大きな負担がかかるため、肩こりや関節痛、腰痛などを引き起こします。
ストレッチを行えば、これらの痛みを改善することも可能です。
ケガの予防効果
前述のとおり、筋肉をほぐして柔軟性を高めると身体が正しく動くようになり、関節の負担を軽減できるので身体のパフォーマンスが向上し、ケガを予防できます。トレーニングや試合の前後などでスポーツ選手が念入りにストレッチを行うのは、ケガを予防するためです。
間違ったストレッチ 6つの例
ストレッチは闇雲に行ってはいけません。行う場所やタイミングなどのポイントを、しっかり押さえておきましょう。間違ったストレッチを行って、身体に負担をかけることがないように注意してください。
1つのストレッチに時間をかける
1つのストレッチに時間をかけると、パフォーマンスが低下します。効果的に柔軟性を高めたい場合は、1つのストレッチにつき20秒キープ×3セットを行いましょう。慣れてきたら、足振りや腕回しを行ってから、ストレッチに入るとよいでしょう。ただし、慣れたからといって時間を長くしてはいけません。
痛みがある中でのストレッチ
筋や関節を伸ばした時に痛みを感じたにもかかわらず、無理にストレッチを続けるのは厳禁です。無理にストレッチを続けると回復が遅れることもあるので、痛みを感じたらすぐにストレッチを中止してください。
痛みがひどい場合や1週間ほど経過しても痛みが続く場合は、病院で診てもらいましょう。また、痛みが出るまでストレッチを行うこともケガの原因になります。「気持ちいい」くらいで止めておくことが大切です。
ストレッチのタイミングが適切ではない
起床直後とウォーミングアップ前は筋肉が温まっておらず、硬い状態なのでストレッチのタイミングとして適切ではありません。特に起床直後は身体が休息状態であり、筋肉が最も硬い時でもあるため、ストレッチは行わないでください。
また、筋トレ途中のストレッチは筋トレのパフォーマンス低下を招き、筋肉疲労が起こっている筋トレ後の激しいストレッチはケガの原因になるのでやめましょう。
ストレッチメニューにムラがある
ストレッチの効果を最大限に引き出すためには、全身のストレッチを行う必要があります。背中周りや股関節周りだけなど、ストレッチメニューが偏っている場合はストレッチメニューを見直してください。
マット以外の場所でストレッチをしている
厚いカーペットやトレーニングマット以外の場所では、正しいフォームでストレッチを行うことができません。柔らかいベッドの上や硬い床の上だとストレッチのフォームが崩れて、ケガをするおそれあるのでやめましょう。
オーバーストレッチの悲劇
オーバーストレッチ(過剰ストレッチ)とは、ストレッチをやりすぎたり、無理に関節・筋を伸ばしたりすることです。ストレッチによって筋の痛みや股関節などの関節痛が起きた場合は、オーバーストレッチを疑ってください。
痛みがあるにもかかわらずオーバーストレッチを続けると、靱帯断裂や背骨の疲労骨折、軟骨の消耗による関節変形などの重大なケガにつながります。特にストレッチに慣れてきた方や、ダンスやバレエなどで柔軟性を意識している未成年の方は注意してください。
ストレッチは正しい方法で行おう
ストレッチによって筋肉がほぐれて柔軟性が高まれば、血行が改善されるのでダイエットや肩こり・腰痛の改善、ケガの予防といった効果が期待できます。だからといって、間違ったストレッチやオーバーストレッチを続けると身体を痛め、重大なケガを引き起こしかねません。
ストレッチの効果を最大限に引き出すためには、ストレッチの正しいやり方を理解した上で、無理のない範囲で行うことが大切です。